2019年改正入管法について

出入国管理及び難民認定法(以下入管法と略します。)の改正法案は2018年12月8日に成立し、2019年4月1日から施行されています。
当法律事務所は当ビル2階に国際部を設け、外国人労働者受入れをめざす中小企業の方々の良きパートナーとして、コンプライアンス面を含め様々なニーズに対応していきたいと考えています。
ところで、この改正入管法は、数年前から続く、産業分野の労働力不足を解消するために、国が外国人労働者の受入れを図ることを目的に新たな在留資格に係る制度を設けたものです。
改正入管法は、新しく、「特定技能1号」、「特定技能2号」という2種類の在留資格を創設し、当面、省令によって下記の14の産業分野に外国人労働者の受け入れを認めています。
1.介護分野
2.ビルクリーニング分野
3.素形材産業分野
4.産業機械製造業分野
5.電気・電子情報関連産業分野
6.建設分野
7.造船・舶用工業分野
8.自動車整備分野
9.航空分野
10.宿泊分野
11.農業分野
12.漁業分野
13.飲食料品製造業分野
14.外食分野
「特定技能1号」は、相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人が対象で、「特定技能2号」は熟練した技能を要する業務に従事する外国人が対象となっていますが、上記2種類の資格を取得するにはそれぞれに必要な技能と、日本語能力が必要になります。
必要な技能は「特定産業分野の業務区分に対応する試験等」によって確認され、日本語の能力については、「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力」と「産業分野毎に業務上必要な能力」が必要となり、試験によって確認されます。
なお、外国人技能実習生のうち技能実習2号を修了した者につきましては、日本語等を含めた講習の後、日本に通算3年程度在留しているので上記の試験が免除されます。
さらに、省令では上記の技能、日本語能力の外に下記の7つの条件をつけています。


1 18歳以上であること
2 健康状態が良好であること
3 退去強制の円滑な執行に協力する外国政府が発効した旅券を所持していること
4 保証金の徴収等をされていないこと
5 送出し国で遵守すべき手続きが定められている場合は、その手続きを経ていること
6 食費、居住費等外国人が定期的に負担する費用について、その対価として提供される利益の内容を十分に理解したうえで合意しており、かつ、その費用の額が実施相当額の適正な額であり、明細書その他の書面が明示されること
7 分野特有の基準に適合すること

在留期限は下記のとおりとなっています。
1「特定技能1号」の在留期限
「特定技能1号」の在留期間は1年、6か月または4か月で、更新による上限は通算で5年までとなっています。家族の帯同は基本的に認められていません。
2「特定技能2号」の在留期限
「特定技能2号」の在留期限は3年、1年または6か月で、更新による上限は設けられていません。家族の帯同も可能とします。
在留資格を定める入管法別表第1の4のなかに、「家族滞在」が定められています。
「特定技能2号」の有資格者の家族は、この「家族滞在」の資格に基づき「特定技能2号の在留資格をもって在留する者の扶養を受ける配偶者または子として行う日常的な活動」を行うことができます。
雇用形態は下記のとおりとなっています。
雇用形態はフルタイムとしたうえで、原則として直接雇用とします。
但し、産業分野の特性に応じ、派遣とすることが必要不可欠である場合には、例外的に受入れ機関が派遣元となり、派遣先へ派遣を行うことを認め、そのことは分野別基本方針に明記されています。
当面、以上14の産業分野のうち、農業と漁業で派遣形態が認められています。
上記による外国人の出入国の管理事務は新たに出入国在留管理庁を設置して厳格に対処され、制裁も強化されています。
この改正入管法によって、ベトナム、フィリピン、タイ、ネパールミャンマー、インドネシア、中国等から外国人労働者を受入れたいと考えている中小企業の皆様は改正入管法の規定を守ることは勿論ですが、労働基準法、最低賃金法、労災保険法、労働安全衛生法、男女雇用機会均等法、労働組合法、労働者派遣法、職業安定法の諸法規を守らなければなりません。
これらの法律の1つにでも違反があれば、外国人労働者を受入れることはできません。
外国人労働者の待遇もあなたの会社で就労している日本人労働者と同一にしなければなりませんし、諸法規を知っていなければ、いつ違反事実を指摘されるかもわかりません。
このような場合に備えて、当事務所国際部は外国人労働者受入れ企業の方々に法的知識を適時適切に提供することは勿論のこと、企業経営上のコンサルタント的役割を果たして行きたいと考えています。
当事務所は静岡市に設立されて、既に45年以上の歴史を有する事務所であり、労働諸法規に関する知識と経験が蓄積されています。
このような知識は今まで主として日本人の労働者に提供されてきましたが、今後は中小企業経営者の方々が安心して、外国人労働者を雇用することができますよう、その結果、皆様方の会社の営業成績が向上しますよう、当事務所の知識と経験を中小企業経営者の皆様方に提供したいと思います。
外国人労働者の人権が守られ皆様方の会社で外国人労働者が生き生きと働き、その結果として皆様方の会社もグレードカンパニー化する、そのようなことを考え、予防法務に力点をおき、活動したいと思います。
当事務所国際部を利用したいと考えて下さる中小企業経営者の方々は何なりとご連絡ください。

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