契約書作成のチェックポイント

契約書作成のチェックポイント

契約書を作成する際、以下の事項に気を付ける必要があります。

①重要な契約書には記名ではなく、署名押印をする!

②契約書に入れておくべき特約

③契約が無効となってしまうもの

重要な契約書には、記名ではなく署名押印する

署名とは、自分の氏名を自分で書く(自筆)ことを言います。筆跡は人によって異なるため、正式な筆跡鑑定を行えば、その署名を行った人を特定することができます。

そういった理由から、署名は本人が作成した文書であることを証明する明確な証拠となるのです。

これに対し、自分の氏名を自分で書く(自署)以外の方法で記載することを記名と言います。パソコンで氏名を入力し、作成した文書に印鑑を押したものなどは、「記名押印」といいます。簡単に作成できてしまうので、実際に作成した人を特定するための証拠としては、不十分です。契約書の作成者を巡り、争いになることになります。文章の作成者を巡るトラブルになる場合もあります。

そういったトラブルを予防するためにも、重要な契約書を作成する場合には、署名押印することをお勧めします。

契約書に入れておくべき特約

契約を交わした相手が契約違反を働いた場合、迅速かつこちらに有利な対応をとるために、また契約を交わした相手に契約を守らせるためにも、以下の特約を入れておくことをお勧めします。

無催告解除の特約

例えば、金銭のやり取りが発生した場合、買い手が代金を支払わない、という事態が発生すると、売り手はまず「代金を支払ってないので、○日以内に支払ってください」という旨を催告し、その催告の内容を買い手側が守らなかったときに、契約を解除できるようになっています。

これは、契約を交わした相手が契約違反をしている場合でも、こういった手続きを踏まなければ、契約を解除できなくなっています。そこで、「無催告解除の特約」を設けることが有効となります。この特約を設けておくことにより、契約違反が起きた場合に、ただちに契約を解除することができるのです。

期限の利益喪失の特約

「期限が来るまで借りたお金の支払を請求されることはない」という債務者の利益を期限の利益といいます。契約によって、支払の期日が定められている場合、債務者が債務を履行できなきなくなったり(代金の支払いを怠ったり)、担保となっている物を破損させたりした場合、期限の利益は失ってしまいます。

しかし、債務が不履行になる前の、債務者の財産状態が悪化したときなどの場合にも、直ちに残金(未払い金)の全額の支払を請求できる形にしておくことが有益となります。そこで、期限の利益喪失の特約を設けることにより、債務者の財産状態が悪化した時、契約の条項に違反した時などに、残金(未払い金)全額の支払を請求することができるのです。

損害賠償額の特約

売買契約が行われた際に、買い手が代金の支払い期日になっても代金を支払わなかった場合、売り手は想定外の損害を受ける可能性があります。法律では、代金が支払われなかったこと(金銭債務の不履行)に対して、年5%の範囲でしか、損害賠償を認めていません。

そこで、損害賠償額の特約を設けることが有益となるのです。特約を設けることにより、万一契約の相手方が契約違反をした場合でも、早い段階で十分な損害賠償が得られるようになります。勿論、実態に合わない損害額を規定しても、公序良俗や消費者契約法違反を理由として無効になることがあります。

裁判所の合意管轄の特約

トラブルが起こり、裁判を起こすことになった場合、原則として訴えられる側の住所地を管轄する裁判所に提訴をしなければならない、と法律で決められています。そのため、訴えられる側の住所が遠隔地である場合は、裁判を起こすことさえも諦めざるを得ない可能性もあります。

そこで、裁判所の合意管轄の特約を設けることによって、自分にとって利便性の良い場所の裁判所を管轄裁判所とすることができます。

契約が無効となってしまうもの

契約を交わした当事者同士の意見が合致した契約であっても、法の定めによって、その契約が効力を失ってしまう場合があります。

無効とされる契約は以下のものとなります

①強行規定に違反する契約

②犯罪その他不正行為を勧誘し又はこれに加担する契約

③個人の自由を極度に制限する契約

契約内容が片一方の利益に偏り過ぎているものは、契約の効力が無効になる場合があります。

このような場合に備えて、私どもの事務所にご相談されることをお勧めします。

中小企業法務に関することならどんなことでもご相談ください。

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