Q20 遺言をしないで私が死亡してしまうと何らかの不都合がありますか?

遺言がなされずに相続が開始された場合、金銭債権等の分割債権は法定相続分によって当然分割となります。このために、すべての相続人が合意しない限り、遺産分割の対象とならないとするのが最高裁の判例です。

あなたのように中小企業のオーナーの場合には特に不都合であり、あなた名義の預貯金は、当然分割となり、各法定相続人が単独で、自己の相続分相当額の払戻しを請求できます。中小企業にとりまして社長個人の預貯金も重要な資金繰りの役割を担っていますので、これが流出してしまいますと経営上も支障が出ます。

又、あなた個人が会社に貸付金がある場合、これも当然分割となりますから、各相続人は会社に対し、相続分に応じて貸金返還請求することができ、会社の経営が困難になります。

さらに、あなたの会社の株式が相続によって準共有された場合、最高裁判例は株主権を行使すべき者は、共有持分の過半数をもって定めることとしていますので、長男やその他の相続人が次男と対立すれば、次男は困ることになるでしょう。

株式を相続する場合は、法定相続分に対応する数の株式を相続するわけではないのです。このように法定相続による遺言分割は次男への円滑な事業承継を困難にしますので、遺言しておくことが不可欠です。

なお、遺言をしておけば、あなたの死後、もめごとがなくなり、子供達の付きあいも円満になるかもしれません。

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