Q27 自己株式の取得、保有について会社法での定めは?

20016月以前の商法は、会社が自己株式の取得、保有をすることを原則的に認めていませんでした。例外的に株式の消却をする等の一定の場合のみ、自己株式の取得、保有が可能でしたが、その処分も遅滞なく行われなければなりませんでした。
20016月、商法が改正になり、機動的な組織再編成、株式の相互持合いの解消の需給調整のため、敵対的買収に対抗するためといった理由から、自己株式の買受けが認められました。20065月施行の現行会社法では、自己株式の取得はさらに自由になり、取得手続が緩和されています。

現行会社法の自己株式取得の概要は次のとおりになっています。

1 定時株主総会決議だけではなく、臨時株主総会を開催して自己株式の取得が可能になりました。

2 未上場会社を中心に、株主総会の普通決議で、譲渡人を定めずに株主全員に譲渡機会を与える新たな有償取得手続を導入しました。

3 自己株式の有償取得の財源規制が、剰余金の配当として一括して、統一的に財源規制が設けられました。

4 自己株式に係る権利のうち、残余財産分配請求権等の自益権の取扱いが明文化されました。

このように自己株式の取得、保有について、小泉改革の流れの中で緩和されてきましたが、あまり緩和し過ぎると、資本が実質的に払戻しされることと同等視され、資本充実の原則に反することになり、会社債権者を害することにもなります。

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