外国人雇用の注意点

日本人と外国人の雇用で決定的に違う点は,外国人の場合,「永住者」,「定住者」などを除き,出入国在留管理庁によって,就労可能な「在留資格」が許可されなければ,国内で就労することができず,企業は就労させることができないということです。
 このことを確認しませんと,不法就労助長罪に問われることになりますので十分な注意が必要です。
 2019年から,在留資格「特定技能」,「特定活動(告示46号)」が創設され,外国人の採用の門戸が拡大し,単純労働や,高度な知識を有する分野ともいえないが単純労働ともいえない分野の職域にも外国人の採用が可能となりました。
 静岡県内の企業の経営者が,大学卒業者を採用したいと考える場合,従来は,「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を有した者を採用することを考える必要がありましたが,2019年からは,在留資格「特定技能」,「特定活動(告示46号)」でも採用することができます。
 そして,外国人を採用できた場合には,日本人の社員に対するように,労働基準法等の労働法規や健康保険法等の社会保障法規などを守らなければなりません。
 又,労働条件も日本人の社員と同等かそれ以上のものが必要となり,その内の賃金については,「同一労働同一賃金の原則」が貫徹されなければなりません。
 先にも述べましたように,外国人の不法就労にも十分注意する必要があります。
 不法就労をさせないためには,外国人の在留カードを見て,在留資格,在留期間を確認することになります。
 留学生をアルバイトで雇用する時にも,この在留カードの確認は必要です。
 在留カードの裏面に,「許可,原則週28時間以内,風俗営業等の従事を除く」と記載されていれば,留学生をアルバイトとして雇用することは可能ですが,それ以外の場合は不法就労助長罪になります。
 在留資格「技術・人文知識・国際業務」を有する外国人を,工場で単純労働に就かせることは,在留資格の範囲外ですので,要件があれば,「特定技能」「特定活動(46号)」の在留資格を取得させた上で就労させる必要があります。
 上記は,外国人雇用をするに際しての法的な面での注意点ですが,より一層重要な注意点は,企業は何故外国人を雇用したいかということです。
 日本人の人材を採用できないから外国人を採用したい,と考える企業がほとんどであると思いますが,その場合でも,企業の経営者は,外国人を自社に何故迎えたいかを深く考え,従事させる仕事に必要な能力,その仕事に適した性格,年齢やどの国の人を採用したいか等を明確にすることが大切です。
 その上で,自社にマッチした外国人人材を雇用すれば,採用後のトラブルも防止できるものと思います。
 仕事に意欲的な外国人は,自己のキャリアアップを目指す者も多数いると聞いていますので,日本人の社員の待遇と同等にすることは勿論ですが,能力があれば,日本人以上の賃金を支払い,それなりの役割も考える必要があります。
 外国人も,文化の違いはあれ,日本人と同じ人間です。
 企業内でも,互いに人間として尊重しあうという,最低限の人間としての倫理が守られれば,雇用後のトラブルも防止することができるものと考えます。

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