監理団体・登録支援機関は更なるモラルの向上を!  弁護士法人鷹匠法律事務所国際部からのお願い

技能実習法に基づく「技能実習」が,法の趣旨どおり円滑に機能せず,相次ぐ違法と,技能実習生に対する人権侵害が新聞紙上を賑わしています。

技能実習制度を支える監理団体は,一体何をしているのでしょうか。

2016年11月に改正された技能実習法により,法務省と厚生労働省が所管する技能実習機構が新設され,技能実習計画の認定,実習実施者の届出の受理,監理団体の許可を行っています。

改正法が施行される前は,監理団体は,非営利団体であれば,届出だけで済んでいましたが,改正法では,技能実習機構での許可が必要になりました。

技能実習法や入管法,労働基準法やその他の労働諸法規に違反があれば,監理団体は,改善命令や許可の取り消しを受けることになります。

このように許可制になったのは,監理団体に実習実施者(受け入れ企業)の違法を監視させ,技能実習生の人権の保護の役割が与えられたからです。

間違っていけないことは,監理団体は,実習実施者の代理人ではなく,実習実施者を管理,監督する役割であることです。

毎月,技能実習生1人につき2万円程度の監理料を受領すると,実習実施者に言いたいことも言えなくなるかもしれませんが,それでは駄目です。

改正法施行後も,残業代未払い,家賃の水増しや過重労働,労災隠し等の不正が報告されています。

技能実習生の失踪もまだあり,建築業と農業で多いことが知られていますが,この実態は,より高い賃金を求めて失踪するのではなく,過密,過重な労働に耐えかねて失踪することが大半であると報告されています。

監理団体は,建築業や農業の労働実態は知らないかもしれませんが,それでは監理を果たしていることにはなりません。

今,建築業や農業分野の他,スーパーのバックヤードやコンビニ弁当の工場,クリーニング工場で働く技能実習生が増え,昨年から介護分野における技能実習も始まりました。

これらの技能実習生の労働条件や人権が守られ,日本を良い国だと思って母国へ帰国してくれることが何よりも重要です。

当事務所国際部は,真の多文化共生社会の実現のために,監理団体の皆様方からの相談も受け付け,又,顧問契約を締結する体制も整えています。

そして,2019年4月1日から改正入管法も施行され,登録支援機関の役割も大きくなっています。

しかし,特定技能労働者の人権を守る役割が改正入管法によって与えられている登録支援機関は,法の要件に合致していれば,割合簡単に出入国在留管理庁から許可を受けることができ,監理団体から登録支援機関に移行する者も数多くあり,外国人の人材ビジネスを企図する団体も参入を考えています。

どのような考え方の団体でも,登録支援機関となることは自由ですが,しかし,最低限,在留資格「特定技能」で受け入れる外国人労働者が,日本で生き生きと生活や仕事ができ,やがて永久に日本で暮らしてもよいと考えるようになるよう,その役割を果たす必要があります。

当事務所国際部は,志があり,モラルの高い監理団体・登録支援機関に対し,当事務所の蓄積する知識を提供していく所存です

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